手術室で働いていた時、強烈な先輩がいた。
看護師として働き出してから
社会で働く厳しさや、人の命と関わる仕事のやりがいと厳しさと様々な経験をさせてもらった
すごく感謝している反面
記憶に残ってたまに思い出しては、あの先輩怖かったな・・・と思う
感謝の気持ちもある
だけど、なぜ?というわだかまる気持ちもある
笑って流せる度量も私にはない
お互い様だよね・・・と許しあう感覚も
その先輩に対しては持てなかった
今振り返ると、その時に嫌だった気持ちを存分に、その時に表現していないから、
今、こうして思い出してしまうんだと思う
もうこれで思い出すの最後にしたいな・・・と思う
結局、過去の事に今を縛られてしまっているのがとてつもなく嫌だ
私は、その先輩に感謝をしている所もあるけれど、
わだかまりの方が大きい
それは、すごく忙しく疲労が溜まっている時に、かなり問い詰められ
「もう勘弁して欲しい・・・」と心の何かがピークに達してしまったからだ
代々の副看護師長さんたちも厳しい指導や時にはひつこく問い詰めたりして涙を流させられていた
後輩をつねったり、叩いたり、手術で使用する重めのしっかりとした椅子で同僚の足をひいたり・・・と行動が抑制できない先輩だった
私も昇任して副看護師長になってからは、かなり厳しい態度で接せられるようになった
30代前半でまだまだ至らない所はたくさんある、だから感謝しているところもある
だけど、は?と思う事は度々あった
彼女は看護師長のお気に入りだった
熱中すると仕事ぶりは素晴らしい
私が副看護師長になり、だいぶ管理の仕事も慣れ、看護師長からの信頼も厚くなってきた頃
その先輩は私にこう話した
「私を仲間はずれにして、看護師長とあなたたち二人(副看護師長は二人いるため)で仲良くしてずるい」と言うのだ
事実は仲良くしているわけではなく、今後の手術室管理について普通に話していただけなのだ
彼女は看護師長のお気に入りだけれど、管理職ではないので、管理に関しては話せない内容もある
それだけなのだ
仲間はずれにしているわけでも何でもない
それを看護師長に話すと、看護師長も同意見だった
その後、東日本大震災と看護師長が3ヶ月研修のため不在だったり、その期間に結構大きなヒヤリハットがあり部下の指導に悩み、プライベートでは母が急死したり・・・と私にとってはキャパオーバーな出来事が続いた。
そうした中、やっと取れた午後3時頃の休憩中に、突然何か怒りながらひとしきり文句をものすごい剣幕で言い放っていったのだ。私はもうその時はキャパオーバーを自覚した。
「もう、これに私は耐えることができない」と思った
その後も色々と言われることはあった
申し訳ないがスルーさせてもらった
長い手術室経験があり、経験則からの提案は素晴らしいこともあるのだが、
これから拡大していく手術室にとっては、その方法ではちょっと・・・と言うこともたくさんあった
彼女の頭の中はわからないが、
当時の私はこう予測していた
これまで、自分の提案が通ってきたし、看護師長の信頼も厚かったのが、
なんだか最近、この副看護師長たちの方ばかりに看護師長は力を入れている・・・
寂しさや自分の立場の危うさを感じていたのではないかと
それも規模が拡大していく手術室の流れの中で、二人の副看護師長がもっと大きな役割を担っていけるための指導だったのだが・・・
その後私はバーンアウトしてしまう
「どうしてバーンアウトしちゃったんだろう」と考えると
私はそんな人間できていないので、こんなことがあったせいだよな・・・
と思ってしまう
ただ、もう、一区切りつけて、私は新しく人生設計し直しているので、
もう一度向き合った方がいいのだと思う
彼女は変えられない
過去も変えられない
私がバーンアウトしたことも変えられない
私はこのことで何を学んだのかをはっきりさせて次に活かしたい
そして、すごい頑張ったね、と声をかけたい
30代前半で至らないことも多かった私だが、
誠実に仕事をしてきた
どんな正論でも、意見でも
それを話す人の心の根底にあるもの
なんとなく感じるはずだ
厳しいけど自分のためになる言葉
正論やあなたのためと言う仮面を被ったコントロール的な心の動機からくる言葉
嫉妬から出る言葉
その自分の直感は信じていい
そして、手が出る人は逃げていい
先輩でも上司でも親でも何でも
この話は約15年前の話で、まだまだパワハラとかモラハラとかは言えない風潮が強かったし、私のいた病院が特にこういう風潮が強かったのかもしれない
自分のできていない所はできるようになるように仕事だから努力は必要だ
だけど、暴言や手が出てくる人からは逃げていい
私はそう思う
当時彼女になんて言いたかったのか・・
「うるせー!!」だと思う
打たれた時には「痛いです、やめてください。ちゃんと言葉で言ってください」と大声で言いたかった
見て見ぬふりを自分だけはしてはいけない
大切な自分の心と体なのだから